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市身障者福祉大会 丁權氏の講演…「障害者差別の課題」

2009年11月01日

市長、市会議員や市内選出国、県会議員、福祉関係者など、大勢の来賓者が招かれた福祉大会

2009.11.01
 第54回名古屋市身体障害者福祉大会に参加しました。
 この大会は、名古屋市身体障害者福祉連合会の主催で、名古屋市や市社会福祉協議会、マスコミ事業団5社の後援により、毎年開催されています。

 午後1時からの式典に参加した後、第2部にも参加し、韓国の知的障害者施設「イェガウォン」園長、丁權(チョン・クォン)氏の「施設建設から見えてきたもの〜韓国における障害者差別」と題した記念講演を聴講しました。


 丁權氏は、19歳の時に、病気で肢体に障害を持ち、その後、社会福祉を学んで、23年前に知的障害者施設を設立、以来、障害者への可能性や生き甲斐を持つことの大切さ訴えながら、障害者への差別は、世界がともに取り組むべき重要課題であることを世界各地で訴えておられます。


記念講演講師の丁權氏

 
 
 韓国では、2007年に障害者差別禁止法が成立、08年に施行されましたが、「韓国では、障害者の施設は街と離れたところに行くべきと考える人が多い。自分の家と遠くにあれば助けるべきと思う人が近くに来れば反対する。」「韓国は障害者差別に対する広報と国民の認識が不足している状況」と法と現実との矛盾を指摘し、今日の講演では、昨年、韓国内でオープンした知的障害者の生活支援施設建設をめぐり、土地価格下落を心配する地元住民の反対運動で建設工事が2年間延期になった体験を講演の中で明らかにしながら「私たち障害者は、同等の権利を主張し、地域住民の一人として心を開き、元気に生きていきたい」と障害者が地域で暮らせる地域社会の確立を訴えました。


2年の建設延期の末、地元住民との交渉を重ねオープンした施設

 私は、かつて、市職員の知的障害者採用の考え方を市議会本会議質問で質し、当時嘱託雇用としていた知的障害者の採用について、正規採用とすべきと訴えました。
 この質問は、私自身の20数年のボランティア活動の体験と知的障害者の子どもを持つ方からの要望をもとに行い、知的障害者の親は、我が子が生涯に渡って、社会の中で自立して生活できるか否かに切実な不安を抱いていることを訴え、市に障害者雇用促進の模範行動を求めたもので、以来、市では少数ながら知的障害者の正規採用を行っています。


 河村市長は式典挨拶で、障害者の地域生活基盤も「地域委員会で解決」と自らの公約を訴えてはいましたが、地域力を活用した障害者自立支援策は確かに必要ですが、私自身の体験とも照らしながら丁權氏の講演を聞き、あらためて感じることは、障害者差別への課題には、先駆的な行政方針とその施策が先ずは必須とも感じます。


講演内容を翻訳する画面で最後に流れたメッセージ

 この大会式典では、大会宣言とともに、国、名古屋市への要望事項も示され、「特に名古屋市に対しての要望事項」として、

1.障害者が安心して地域生活を送るための制度のさらなる充実、身体障害老人ホームの建設
2.災害時における障害者対応システムの確立
3.障害者の移動に対する福祉施設等の整備、拡充
4.地域生活支援事業の円滑かつ着実な運営基盤の確立
5.海外障害者との交流促進及び制度化

などが決議されましたが、国に対しても「障害者差別禁止法の早期制定」が第一に要望されています。

※それぞれの写真は、クリックすると拡大します。