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地域委員会…政調PTの他都市調査

2010年02月28日

政調会PT地域委員会検討のための第1回は横浜市泉区から桜井団長も同席して始まりました。

2010.02.28 Part2
 私は、昨年4月の河村市長誕生後、自民党市議団政調会長に就任し、直ぐに政調会プロジェクトチームを編成し、河村マニフェストの検証などの政策調査を行ってきました。
 政調会PT発足後は、先ず、河村二大公約のひとつである「地域委員会」の検証作業に入り、当時、市が先進例として参考にしていた全ての都市の調査を実施することを決め、横浜市泉区、新潟県上越市、大阪府池田市、愛知県豊田市の視察調査を行いました。

 調査を行った4都市では、地域事情がそれぞれ異なるため、各都市での特徴と課題があり、調査都市の制度で名古屋市が採用できそうなものを抽出して比較検証しながら調査を進めましたが、名古屋市の学区連絡協議会のような学校区地域内での組織連携の制度が前提とはなっていないとも感じ、各都市の地域予算は、こうした地域組織づくりと行政連携のための動機付けのひとつとなっているようにも思えました。

 こうした他都市調査の結果、名古屋市の地域委員会制度では、学区連絡協議会組織を活用した制度設計が効果的と考え、制度設計についての様々な議論を行ってきましたが、河村市長は選挙による地域委員選出に拘り、市区政議長会との意見の相違も起きて対立し、結果、本市モデル実施では、選挙による公募委員と学区推薦による推薦委員による地域委員構成とすることが落とし所となりました。


第1回調査(平成21年7月)…横浜市泉区

第2回調査(平成21年7月)…新潟県上越市


第4回調査(平成21年8月)…愛知県豊田市、衆議院議員選挙中であったため、政調会PTを2班に分けて実施

大阪府池田市倉田市長との意見交換


第3回調査(平成21年8月)大阪府池田市、調査団を代表して、調査趣旨説明を行う様子。

 また、自民党市議団や市議団政調PTの中には当初、河村市長と地域委員会に対して批判的な考えを持つ議員も少なくありませんでしたが、私は「政治的対立よりも、先ず河村マニフェストが実現されることを前提にした政策的検討を行って問題点を洗い出し、施策の是非を判断する。」ことを政調会PTメンバーに説明し、その方針で他都市調査を行いました。

 政治的な感情や先入観を排して他都市の地域分権の仕組みを調査すると、地域に予算権限を移譲する施策自体は、制度設計次第では、地域住民の利益につながる可能性があることも解り、市議団政調会PTでは、地域が予算権限を持つことを前提にした検証作業を並行して行うようになりました。

 私自身が地域委員会制度による予算権限移譲の仕組みを評価するようなった最大のきっかけは、大阪府池田市での倉田薫市長との意見交換で、池田市では、市税収入の約1%を各小学校区に予算権限移譲する地域分権を平成20年度から実施しています。


池田市の地域分権の施策の考え方を説明頂いた倉田薫市長

河村市長の考える地域委員会への問題点を説明。

 倉田市長は、池田市職員として財務課勤務を経て、昭和50年4月から池田市議会議員(5期)を務め、 平成7年5月 池田市長初当選し(現在3期目)、関係者によれば自民系の市長とのことでした。
 倉田市長との意見交換では、冒頭に私が考える河村市長の地域委員制度の問題点を挙げて、疑問を投げかけると倉田市長は、「地域に予算を渡すことは、税金の在り方を市民(住民)が考えるための貴重な動機付けとなる。」との考え方を示され、地域予算による市政運営の考え方とその効果について、次のような趣旨の説明を頂きました。

  • 今までの市民と行政の関係は、「あれをしてくれ」「これをしてくれ」「そんな無駄なことはするな」と市民から行政が要望、苦情を受けるものだったが、市税の1%を自分たちで決めることとなれば、自らが何が無駄で、何が必要かを市民自らで考えてもらえるようになる。
  • 地域から出てくる予算案は、正直、役所側から見れば無駄と思えるものもあるが、これからは、その無駄は、住民が住民に指摘することになる。
  • 地域予算では、今まで役所への要望や苦情を言ってきたものの中で、(住民が)自分たちで考えて、解決しなければならない事柄もあり、こうした仕組みは、住民同士が税金への認識を持つ場として貴重な機会となる。
  • 池田市の地域予算協議は、応募者は全て協議に参加し、市職員も公募型サポーター(ボランティア)として協議に加わってもらって予算づくりのアドバイスを行っている。
  • 市民による地域予算づくりの施策が成熟すれば、将来はハード面までを含めて、地域予算としていくことも考えている。その際には、施設等の要不要も住民が考え、当然、維持費などのランニングコストまでを含めて協議することなり、その存廃も住民が考えることになる。
  • 地域予算は、市民と行政が税金の在り方について、共通認識を持つようになることが重要。

 こうした調査や意見交換を経て、昨年11月定例会では、地域委員会モデル実施の補正予算は可決され、今回の地域委員選挙が実施されましたが、私は、今回のモデル実施では、地域委員選挙の行方よりもその予算の使い方への議論と内容に注目しています。

名古屋市地域委員会モデル実施

 昨日、市内8地区(学区)での地域委員会委員選挙が開票され、各モデル地区の地域委員が確定しましたが、今回の地域委員選挙では、市全体での参加率10.6%、投票率82.4%、実質の地域委員の得票率は全市有権者の8.7%となりました。

 河村市長は、「税金の使途を任せるのだから地域委員の選挙は、絶対条件」として、市議会、市区政議長会をはじめ委員選挙実施に慎重だった関係者を説得し、今回のモデル実施には地域委員選挙が行われましたが、慎重派が心配していたような大きなトラブルや問題は起きていないようです。
 慎重派が最も心配をしたのは、選挙による地域分断や混乱でしたが、事前申請による投票方法では参加率が10%と低調であったため、選挙そのものが慎重派が心配したような事態が起きるほどの規模とはならず、地域委員選挙についての課題は参加率の低さ以外は指摘ができないというのが現状と思います。

 今後の課題は、正に河村市長が言う、地域委員が行う税金の使い方に焦点が絞られ、モデル地区の学区には、その地区の人口に応じて500万円、1000万円、1500万円の予算が市の事業予算とは別途に配分され、今回の選挙で選ばれた地域委員が地域住民の民意を汲み上げながら、予算編成を行い、その地域の税金の考え方が市民に示されることとなります。

 今後は、地域委員会の予算決定の判断やその経過での委員の発言、議論の内容に注目していきたいと思います。

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