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国際戦略港湾のターゲット「釜山港」を調査

2010年08月05日

2010.08.05
 昨日の博多港に続き、釜山港の調査を行いました。
 釜山港は、シンガポール、上海、香港、深センに次ぐ、世界5位のコンテナ取扱量の国際港湾で、2009年のコンテナ取扱量は1,195万TEU(名古屋港=211万TEU)と韓国内では約7割に当たる割合を担い、その内訳では輸出入とは別に積み替えによる取扱量が全体の41%となる国際ハブ港湾です。

 釜山港への移動には、博多港から1日3〜8回のペースで両港間を往復運航しているジェットフォイル船を利用しましたが、ジェットフォイル船は、航空機のジェット技術を用いて、船底にジェットエンジンを備えた船舶で、博多港から釜山港までは2時間55分で移動でき、運賃も片道約15,000円のリーズナブル効果から、夏休み中の博多港国際ターミナルには学生や家族連れのみなさんが多く利用されていて、こうした光景に日本と韓国との距離の近さを感じながら釜山港へと向かいました。


学生や家族連れで賑わう博多港国際ターミナル。

博多〜釜山を結ぶジェットフォイル船


博多港から約3時間で釜山港に到着。

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 今回の名古屋港管理組合議会の調査では、日本と最も近く世界有数の国際ハブ港の位置づけられている釜山港の港湾管理方法や戦略を調査することは、名古屋港の今後の国際競争力強化を図るうえでも極めて重要となるため、釜山港に到着後の調査では、先ず、2004年に韓国政府の100%出資で設立し、釜山港の一般ふ頭、コンテナターミナル等のほとんどの施設と釜山新港の統括管理と運営を担当している釜山港湾公社(BPA)を訪問しました。

 BPAの調査では社長のノ・テギ氏が我々の調査に直接対応して頂け、調査に先立って、調査団長を務める岩村進次名港管理組合議長から「北東アジア最大の国際ハブ港湾である釜山港を調査させて頂き、名古屋港の国際戦略に役立てたい。」と挨拶したのに対し、ノ・テギ社長からは、「両港が共同して、荷主や物流関係者に質の高いサービスを提供し、今回の訪問をきっかけにした相互発展のための協力ができることを望みます。」と歓迎の挨拶を頂きました。


韓国政府の支援を全面的に受ける釜山港湾公社の調査に訪れました。

歓迎の挨拶後、自ら釜山港の概要、戦略を説明頂いたBPAノ・テギ社長


岩村進次議長を中心に釜山港調査を行う名港管理組合議会調査団。

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 釜山港は、世界100ヶ国以上、500余港湾との物流交流があり、現在の国際旅客ターミナルがある北港では、大規模水辺公園と海洋文化地区として347,648㎡の分譲施設誘致用地と1,163,802㎡の公共施設用地の再開発事業が進められ、世界的な観光と国際ビジネス拠点としてのウォーターフロント整備が計画されています。

 また、現存の釜山港の機能に加えて、新たな釜山新港の開発も進められていて、現在1部が稼働しているコンテナターミナルの背後地では、積み替えによる使用料は無料化されているとのことで、既に30社の企業誘致も決まっていて、その内半分は日本企業だそうです。
 BPA社長は、こうした安価な使用料と併せて、ビックスケールな開発を行うことで、1,500万TEUのコンテナ取扱量増大とともに、積み替えによるトランスシップの割合を現在の41%から60%へ拡大することをめざしているそうです。


調査に際し、握手を交わすBPAノ・テギ社長(右)と岩村進次名港管理組合議長(左)

映像による釜山港ウォーターフロント再開発と釜山新港の概要説明。


釜山港ウォーターフロント再開発の模型展示

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 BPA調査後は、釜山新港の巨大模型による説明の後、一部稼働を始めている北ターミナルの現場も視察しましたが、釜山新港では、1995年〜2015年の整備期間で約1,100万㎡に渡る開発用地に西、南、北の3つのコンテナターミナルに30バースの港湾整備が総事業費106億4,000万ドルで計画されていて、こうした近隣港湾での計画の進捗が、日本の港湾政策に影響を与えてもいますが、我が国の国際港湾戦略では、民主党への政権交代後、自民・公明の前政権下で実施されてきた国内数か所のスーパー中枢港湾政策から、「選択と集中」による港湾戦略に方針が変更され、、国際コンテナ戦略港湾は釜山港は我が国の直近のターゲットとされています。


釜山新港の完成予想模型。右から奥へ、北ターミナル、西ターミナル、左手前が南ターミナル。

全長4.6メートルの北ターミナルが完成すると13コンテナバースが整備されます。


北ターミナルから見た南ターミナル。今後も画像右側へ開発が進み、全長3.6?に11コンテナバースが整備されます。

※それぞれの写真はクリックすると拡大します。