解散署名運動開始
2010年08月27日
2010.08.27
市議会解散署名(リコール)の運動が始まりました。
昨年4月の市長選挙で、史上最多の514,514票を得て市長に就任した河村市長は、その得票と人気を背景にして、就任後の市政運営では、常に市議会との対立姿勢を崩さず、「市議会は市民の縮図ではない。」「議会は王様」などとの市議会批判を繰り返す一方で、自らの公約の市民税減税、地域委員会などが原案通り議決されなければ「議会の大暴走」「暴挙」と声を荒げることも日常化し、市議会の議員提案等には、再議や条例の不交付などの強硬姿勢を取り続けてきました。
河村市長が市議会解散を仄めかすようになったのは、昨年、秋頃からで、今回の市議会リコールには、市長自らが街頭に立ち、市議会解散を訴えるという異常事態となっていて、こうした河村市長の行動に対して、市議会では横井利明市会議長が市議会本会議に代わる全議員総会を招集し、今回の市長のリコール署名への抗議となる「二元代表制及び議会制民主主義を尊重し、市民生活を第一に考えた市政運営に全力を尽くす決意表明」の決議が行われました。
また、市長選挙で河村市長を推薦した民主党市議団や同党県本部も党本部に河村市長の市長選挙での推薦の取り消しを求め、市長不信任決議までもが検討され始めています。
河村市長は、自らが市議会リコールを先導するに至った理由について、「市長選挙での公約の減税や地域委員会は直近の民意で、それを市議会が認めないのなら民意に問わなければならない。」と主張していますが、市議会リコールは、署名が集まれば即市議会が解散されるわけでは無く、仮に規定数である約36万5,000人の市議会解散署名が整った場合でも、その後、市議会を解散するか否かの住民投票が実施されるもので、こうした制度は、選挙などへの投票とは別の市民の権利である"住民直接請求の制度"によるものです。
つまり、私が今回の市議会リコールで最も問題と考える点は、市長が市議会議決に不服があった場合に行使できるのは、再議による拒否権発動や市議会が市長を不信任とした場合の解散権であり、「市長公約が果たせない。」との理由で、河村市長が自ら市議会リコールを先導するのは全く筋が通らない行為で、来年4月に予定されている統一地方選挙(名古屋市会議員選挙)の僅か数か月前に市議会を解散する必要性も理解できず、市政の最高責任者である市長が住民直接請求の先導役を行っていることは、市の最高責任者が自ら市政の政治空白を作り出す行為を行っているということです。
来月から開会される9月定例会でも、河村市長は、先の6月定例会で市議会が修正議決した「中期戦略ビジョン」や議員提案により可決した「公開事業審査条例」を4項再議として再提案する予定ですが、こうした議論も現在の状況下では、市長と市議会との政局的対立となってしまうことは確実で、約1ヶ月の会期が予定されている9月定例会中に市議会リコールの結果も出されることになります。
仮に市議会リコールが成立した場合には、その後60日以内に市議会解散の是非を問う住民投票が行われることとなりますが、その場合には9月定例会に続いて11月定例会もまた政局的混乱が繰り返される可能性もあり、リコールが不成立となった場合でも9月定例会、11月定例会では「河村市長の責任」が追及されることは必至で、どちらの結果であっても年内の名古屋市政は、市民生活を置き去りにした市民不在の対立と混乱が繰り返されることとなってしまい、こうした状況を生み出す先導役となった河村市長の市長としての責任は極めて重いものです。
二元代表制及び議会制民主主義を尊重し、
市民生活を第一に考えた市政運営に全力を尽くす決意表明
私たち議員も市長もそれぞれ直接選挙で選ばれています。
憲法には、議会と市長がともに市民の代表として、相互に独立対等な立場で、緊張関係を保ちながら、市政を運営していく仕組みとして「二元代表制」が定められており、両者がそれぞれ適切に役割を果たすことで、市民本位のよりよい市政を実現していくことが本来の姿とされています。
しかしながら、河村市長は二元代表制に否定的な考え方を示し、自分の提案した政策に反対する議会を解散させるため、市長みずから先頭に立って議会解散の署名活動を行おうとしています。
こうした事態は、議会制民主主義を否定し、憲法や地方自治法の精神を踏みにじるものであり、本来市民のために議会で論議すべき景気対策や福祉など喫緊の課題が置き去りにされ、市政運営の停滞が深まることを危惧します。
よって、名古屋市会は、憲法に定められた二元代表制及び議会制民主主義の趣旨を尊重し、市民生活を第一に考えた市政運営に引き続き全力を尽くすことを決意します。
以上、決議します。
平成22年8月27日
名 古 屋 市 会 議 員 総 会


