地域委員会制度の他都市調査
2010年08月26日
2010.08.26
総務環境委員会で実施した地域委員会制度の他都市調査では、現在、名古屋市が実施している地域委員会モデルについて、今後の検証課題が整理できたように思います。
大阪府池田市の地域コミュニティー推進協議会(地域協議会)では、具体的な地域予算の内容の中には、安心安全のためのパトロール車両や自転車の購入など、名古屋市の地域委員会モデルと同様の事業もみられましたが、池田市の地域協議会委員は、応募者全員が委員となり、市職員が庁内希望者によりボランティアでサポーター参加する仕組みとなっていて、希望者は誰でも協議や意思決定に参加でき、職員もボランティアサポーターのため、人件費等を掛けずに会議の開催も確保でき、より住民民意を反映した制度が担保されているように感じます。
新潟県上越市では、地域自治区協議会委員は、公選による公募としているものの実際に公選となったのは、周辺町村の合併に伴い制度が導入された平成17年度に一部で行われたのみで、現在は市長が任命する委員と公募による委員の併用構成となっていて、上越市が採用している地域活動支援事業による予算配分では、各自治区内で5名以上の住民、団体等が課題や事業とそれに伴う予算を提案し、地域協議会が提案内容を審議する方式で、提案者と意思決定者の立場は明確に分離され、第3者判断が出来る仕組みとなっているように思えます。
名古屋市の地域委員会制度では、地域委員の選任投票は、参加登録性で行われ、市内8地区の地域委員会モデルでは、平均10%の参加率で選任された地域委員が、500万円~1,500万円上限の地域予算を決定する仕組みとなっています。
また、今回の調査で明らかとなった点では、池田市、上越市両市の地域協議会には、地域予算の繰越が認められていて、地域協議会が地域予算を決定する際、「上限金額を使い切らなければ損」といった考えで無駄遣いが出ないよう「予算の使い切り思考」への配慮がされていて、池田市では、基金設立なども検討されています。
名古屋市では、先の6月定例会の地域予算審議前に市議会総務環境委員会が開催した「市議会と8モデル地域委員との懇談会」では、地域委員から「今まで、ボランティアでやっていたものが、税金で出来るようになった。」「行政は、規定や基準ばかりを言って、使えない条件が多すぎる。」「地域委員会の会議では、予算上限額(500万円~1,500万円)をオーバーする予算となって、その後、削るのが大変だった。」「時間が無いなかで上限金額までの使い道を決めなければならなず大変だった。」などの意見も聞かれましたが、時間の無い中での議論でつくられた地域予算が本当に有効となっているのかについては、今後、更に検証する必要があります。
また、市の地域委員会の制度設計そのものを再検討する必要もあり、地域予算の執行についても、アンケート調査等による住民評価や他学区の客観的意見を丁寧に聞きとることを市議会は条件としていて、今後は、アンケートの回収と併せて、その回収率や地域委員会の認知度、地域予算の内容への評価等を再検討することとなります。
河村市長は、市議会解散を視野に入れてか、「地域委員会のモデル地区を拡大出来ないのは、市議会が地域委員会に反対しているから」といった批判を繰り返しているようですが、私は、地域の課題に対して、住民自らがその課題を抽出し、予算措置によって解決策を見出す制度そのものを否定していませんし、今後、地域委員会をより良い制度とするためには、選挙や地域予算の使い切りに拘らず、地域住民からの意見が反映できる制度の再設計と改善が必要と考えますし、こうした課題に対して、現在の8地区の地域委員会モデルの検証をしっかり行うべきと考えます。
今回の調査で、本市の地域委員会モデルの制度設計の不完全さをあらためて感じ、今一度、再検討をすべき課題もあるように思え、今後、より良い制度とするために地域住民からの意見が反映される制度改善が必要と感じています。


