ブログ

ブログ

名古屋市児童福祉センターを調査

2010年08月31日

2010.08.31
 自民党県民運動局で、名古屋市児童福祉センター・児童相談所の現場調査を実施しました。
 現在、自民党県民運動局では、子育て支援等の政策づくりを進めていますが、全国的に児童虐待相談件数が増加する中で、先月には大阪市西区において母親のネグレクトによる虐待死亡事件が発生し、母親と死亡した2人の児童は、かつて名古屋市内にも居住し、市児童相談所が対応していた経緯もあったため、今回、急きょ自民党県民運動局で調査を実施することとしたものです。


 名古屋市児童福祉センターは、昭和区折戸町に約11,800?敷地、鉄筋コンクリート3階建の施設として今年5月に移転改築されたもので、障害の早期発見と治療のための療育相談や診療を行う「わかくさ学園(肢体不自由児通園施設)」「みどり学園(知的障害児通園施設)」「すぎのこ学園(難聴幼児通園施設)」による中央療育センター、情緒障害児短期治療施設を行う「くすのき学園」、自閉症、アスベルガー症候群、注意欠陥多動性障害、学習障害などの発達障害児者やその家族への相談、支援を行う「発達障がい者支援センター」と中央児童相談所機能を集めた総合的児童福祉施設として開館し、同センターの開館に伴い、名古屋市の児童虐待等の児童相談機能は、同センター内での中央児童相談所と中川区に設置された西部児童センターとの2拠点体制による機能強化が図られました。


 市内の児童虐待相談対応件数は、平成20年度471件、平成21年度489件となっていて、その通報、連絡経緯は、近隣知人からの連絡、警察等、学校等、福祉事務所の順で、これらは全体の67.4%を占め、特に近隣知人と警察等からの連絡を受けた件数は、両年度で約40%?50%と最も多く、こうした数値を見ると近年の児童虐待報道等により、地域住民の児童虐待への関心が高まっていることが読み取れます。

 児童虐待のケース種別(平成21年度)では、身体的虐待39%、ネグレクト(子育て怠慢、拒否)34.7%、性的虐待2%、心理的虐待(罵声、無視等)24.3%となっていて、対象年齢は0歳?就学前が全体の44.7%を占め、その内容は、主にネグレクト、身体的虐待で、小学生以上では身体的虐待が多い傾向となっています。
 また、児童に虐待を行う虐待者で最も多いのは、全体の65.6%が実母による虐待(実父23.5%)で、実の母親による虐待ケースが半数以上の割合となっている数値には、私も含め県民運動局調査メンバーは大きなショックを受けました。


 従来の児童虐待への行政の対応は、その疑いがあるとの連絡等を受けた場合に児童相談所が家庭訪問、立入調査等を行っていましたが、虐待相談件数や事件件数の増加とともにその内容も深刻化する事態を受けて、平成20年4月には法改正が行われ、知事の出頭要求と立入調査、調査に応じない場合の再出頭要求、裁判所許可を受けての臨検又は捜索が行われるなどの調査権限の強化が法制化されましたが、先月の大阪市西区の事件では、こうした法的対応を行う前段階に必要な虐待者及び被害者の個人特定に時間を要し、結果、最悪の事態となってしまったことから、国は更に制度運用の改正等を各自治体に通知するなどの対応を行いました。

 しかし、児童虐待調査の現場では、相変わらず家庭訪問をしても留守、調査拒否等を受けるケースもあって再度の手続きに時間を要するケースもあり、虐待事実を確実に認定出来ないのも現状で、現に大阪市西区の虐待事件での母親と死亡した2名の児童が名古屋市に住居していた際には、近隣からの通報による警察、児童相談所の対応が行われても、その時点では虐待痕跡が無く、生活支援の必要性は判断したものの児童虐待の認定にまでは至らなかった事実がありました。


 今日の調査では、新施設の現場視察の後、市児童相談所の担当職員のみなさんにも出席を依頼して、現場での児童虐待相談の状況の聴取と併せて意見交換を行いましたが、「児童虐待を防ぐために最も必要な家庭内での情報が取れない。」「外部からでは家庭内での出来事を判断するまでの情報が少ない。」「地域内で孤立した家庭では情報不足となることがある。」等の課題が示されました。
 確かに家庭内で虐待事実があったとしても、「躾」と称して自らの虐待行為を直ぐに認める親は殆どいないでしょうし、市児童相談所では、保護された子どもを取り返そうとする親が激怒し暴力を振るうようなケースもあるなど、児童相談の現場では様々な課題が山積しています。
 こうした課題解決のために自民党県民運動局では、今日の調査での内容を協議し、今後も子育て支援の政策充実と併せて「児童虐待」についての勉強会等も開催しながら、地方で出来る虐待防止のための政策を検討していくことを確認しました。