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「知事審査申立て」への弁明書議決

2010年11月08日

2010.11.08
 市議会の4項再議の再議決に対して、河村市長が地方自治法第176条第5項の愛知県知事への審査の申立てを行った件では、愛知県知事から、市議会に対して弁明書の提出が求められています。
 市議会では、今日の臨時議会で、対象となっている議員提案で議決された「公開事業審査条例」と「中期戦略ビジョン修正議決」の両議決は、いずれも議会権限を越えていないとの考えを示し、市長の審査申立てを棄却するよう求める旨の弁明書を賛成多数(賛成74×反対1=民主クラブ)で可決しました。

 今日の臨時議会本会議では、提案者を代表して民主党議員が提案説明を行い、河村市長の申し立てに対して、次のような反論が行われました。

「公開事業審査条例」

<市長>
 『条例で定める公開事業審査事務は、市長の責任において実施すべきものであり、その事務を個別具体的に規定する内容を含む本条例は議会権限を超えている。』
<市議会>
 『公開事業審査は、地方自治法で規定する自治事務であって、条例で定めることはできる。』
 『二元代表制の下、議会が長の執行する事務について条例を制定することができ、公開事業審査条例の提案権は、議員にも提案権がある。また、地方自治法の規定は、長が事務を執行することと長の担任事務を抽象的に定める規定にすぎず、本条例議決が議会の権限を超える理由にはなり得ない。』

<市長>
 『本条例の規定は、市長の執行する事務について、個別具体的に規定するもので、市長権限を拘束し、議決は議会権限を超える。』
<市議会>
 『本条例の規定は、条例の制定趣旨を実現するための内容を定めたもので、市長の権限を不当に拘束するものでない。』
 『市長の主張は、内容への不服にすぎず、そうであれば地方自治法第176条第1項による再議に付すべきもので、市長主張は、法的に全く当を得ない。』
 
「名古屋市中期戦略ビジョンの修正」 

<市長>
 『「中期戦略ビジョン」のような市総合計画の策定権は、長に委ねられ、議会は、長の計画策定の趣旨を損なう修正や、長の事務管理執行に係る個別具体的な内容に踏み込んだ修正はできない。』
 『修正議決内容は、「中期戦略ビジョン」の総論部分の修正は、計画策定の趣旨を大幅に損なう内容で、各論部分は、長の事務管理執行に個別具体的に踏み込んだ修正がなされている。』
<市議会>
 『「議会議決条例」で総合計画の策定を議決事件に指定したことにより、「中期戦略ビジョン」は議会議決により策定されることとなった以上、提案の趣旨を没却してしまう程度に至らない修正は可能で、「中期戦略ビジョン」の総論部分の修正内容は、提案趣旨を損なうものではなく、各論部分の修正についても、長の事務管理執行に係る具体的な内容に踏み込むものではない。』

 今回、議決された弁明書では、河村市長が議決権限を越えているとする客観的事実と4項再議に付した法的根拠が争点となっていて、議決内容への異議は、一般再議の域を出ていないことなどが指摘されています。
 こうした市議会側の弁明内容に対して、今後は、あらためて市長側の反論が求められることとなるようですが、知事に提出された市長側の審査申立ての内容を私が見る限りでは、河村市長の持論による首長と議会との権限のあり方の主張が目立ち、対象となる2議決が越権というまでの法的、客観的な説得力までは感じません。
 本会議場に配布された弁明書は、従来の議案とは違い、裁判までが想定された専門書式で、議場の議論とは、かけ離れた争いが始まったことへの無念さが込み上げるものでした。