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「議員が何をしてるか見えない!」…会津若松市議会の取組み

2010年11月12日

市議団藤沢忠将政調会長と会津若松市議会を調査

2010.11.12
 福島県会津若松市議会では、議員報酬額や議員定数について、学識者からのアドバイスを受けて、民間人を含めた議会制度検討委員会での25回に渡る検討、60回以上の「市民との意見交換会」などが行われています。
 特に議員報酬額では、議会・議員活動の公務範囲を仕分け、議員が公務として活動する時間を年間公務日数に換算して、公費による議員活動の範囲を明らかにしています。
 
 私は、自民党市議団政調会長の藤沢忠将議員(南区選出)とともに会津若松市議会を訪問し、同市議会の議会制度検討委員会委員長の土屋 隆議員と意見交換や事務担当者からのヒアリング、「市民との意見交換会」の傍聴などの調査を行いました。

 議会・議員活動の公務範囲選定による議員報酬額の算定は、平成20年6月制定の「会津若松市議会基本条例」に基づいて同年8月に開催された「市民との意見交換会」で、議員定数、議員報酬及び政務調査費への厳しい指摘、意見が相次いだことがきっかけとなっていて、市民からは、「議員はどんな仕事(活動)をしているのか見えない。(わからない。)」「市財政が厳しいのに議員報酬額が高い。議員が多い。」といったが指摘、意見が全体で9割近くに上ったとのことでした。
 こうした指摘、意見に対して、会津若松市議会では、2年6ヶ月に渡る検討の末、議員の活動実態に則した議員報酬額を算定するため、議員の公務範囲を定めました。


会津若松市議会で議会制度検討委員会委員長の土屋隆議員を訪ね、意見交換

 会津若松市議会の議員の活動の公務範囲の仕分けは、議員のそれぞれの活動を4つの領域に仕分け、地方自治法で規定される本会議、委員会などをA領域、平成20年の法改正により議会活動の範囲が拡大された協議・調整の場をB領域、そしてA・B領域に付随する会派活動や議員個人の視察・調査、質問作成などのC領域、公務か政治活動かの見解が別れる市民からの要望・相談への対応や取次、各種団体会合や市主催行事、冠婚葬祭等への出席などはX領域に分類し、それぞれの活動内容の実態に応じた公務性を定めています。

 議会・議員活動の公務範囲の設定は、数名の議員の活動実態をモデルにレポートを作成し、それぞれの活動の性質を検討した結果、会津若松市議会での議員の公務活動の時間と日数は、中間報告段階で年間1,478時間、185日となり、その後の市民意見の聴取等により再度、精査・検証が加えられて、年間1,354時間、165日の最終報告がまとめられました。
 会津若松市議会では、こうした議員の公務範囲を基に議員報酬を算出し、上限額を年770万円、実際の報酬額は現行の年750万円として、現在、開催されている「市民との意見交換会」に報告しています。


昭和12年完成の会津若松市役所庁舎。会津若松市は人口12万人の都市です。

縦軸が公費負担の必要度、横軸が活動の公務性を示す議員の公務範囲を示した表


会津若松市議会の議会改革は2年連続でマニフェスト大賞なども受けているそうです。

 「市民との意見交換会」は、11月8日〜14日にかけて市内15地区の会場で開催され、議員が5つの班に別れて各会場を担当し、9月定例会報告や政策検討会などの報告と併せて、今回の議会・議員活動の公務範囲と算出された議員報酬上限額並びに議員報酬額が報告されて、市民との意見交換が行われていて、今日、傍聴をさせて頂いた大戸公民館での意見交換会では、議員報酬、議員定数と市民からの市政への要望、意見などの様々なやり取りが行われ、当初、18時30分〜20時の予定も30分延長されていました。


市内大戸公民館で開催された市民との意見交換会の様子。

今回の調査にご協力頂いた会津若松市議会の土屋 隆議員。


30分延長された意見交換会終了後も市民意見の聴取は続いていました。

 今回の私たちの調査に協力頂いた土屋 隆議員の説明では、議会・議員活動の公務範囲の設定と議員報酬額の算定は、議員の活動が市民に理解されていないことへの反省と認識から始まり、二元代表制下での地方議会の役割と議会・議員活動をあらためて市民に示し、議員報酬は公務性が付与された議員活動の対価としての生活給に位置付けた検討を行ったとのことでした。

 「市民に議員活動が見えない。」「議員報酬が高い。」などの市民からの指摘は、会津若松市議会に限らず、名古屋でも同様で、市議会リコールで最も多く聞かれた署名理由も「市会議員の議員報酬が高い」との理由だったようですが、今回の会津若松市議会の取組みでは、議会・議員活動の公務範囲を定めて、議員報酬額の算定根拠を明らかにしたことで、市民からの理解も徐々に得られるなってきていると感じました。

 市民のみなさんから「議員が何をしているか見えない。」との指摘、意見は、情報を発信する側の議会に責任があり、河村市長と市議会の対立や市議会リコールの報道ばかりが繰り返される名古屋市政では、会津若松市議会のように市議会が原点に返えり、議会改革の指針として制定した「議会基本条例」の具体的な取組みを市民に示していく必要があります。

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