調査レポート

調査レポート

東山動植物園再生に向けて 平成20年5月~10月

名古屋市は、開府400年を迎える2010年に世界的な環境国際会議となる生物多様性条約第10回締約国会議(通称:COP10)の開催が決定しています。
しかし、COP10と言う呼称は、マスコミ報道や市広報等で、ようやく市民のみなさんに通じるようになってきましたが、まだまだ身近に感じるには至っていません。
また、名古屋市は、東洋一と評価された東山動植物園を含めた東山再生プランの検討を進めていますが、北海道の旭山動物園に人気を奪われがちです。


国際種保存センター正面

こうした中で、東山動植物園では、動物たちの展示方法などの検討がされていますが、環境首都をめざす名古屋が、COP10開催の2010年を契機にして、地球環境の取組みを世界に発信する役割を果すには、東山動植物園の施策にも地球環境への市民理解と名古屋独自の施策展開が必要と感じています。
沖縄サミットの開催都市であり、世界初の大都市以外のリトリート型サミットを実現した沖縄県名護市にある名護動植物園(ナゴネオパーク)では、入園口を潜るとすぐに水鳥たちの直接歓迎を受け、園内も極力、檻や隔離展示をしない工夫を施し、入園者と自然との共生を体験できる施設となっています。

こうした動物たちと直接ふれあう手法は、現在では、一般的ですが、同園では、一方通行の園内周遊散策ルートを通っていくと最後に絶滅危惧種を集めたネオパーク国際種保護研究センターがその締めくくりの施設として配置され、楽しみながら体験し、その後に生態系保護の必要性を学習する展示方法となっています。


京阪神動物園スタンプラリーポスター

また、大阪市や神戸市などの近隣動物園とスタンプラリー連携を行う京都市動物園は、園規模は、東山動植物園よりもかなり小規模ですが、園内に動物図書館を整備しています。 こうした動物図書館は、体験と学習による生態系保護や生物多様性を更に身近に感じる施設としては、有効なものと思われます。動物図書館内では、動植物の生態系展示を行ったり、環境学習イベントを開催するなどの役割が期待でき、上野動物園や台北動物園では、国際蛙年にあたる本年、その啓蒙イベントが行われていました。


国際海洋環境情報センターでの子供たちのワークショップ

また、視覚が退化し体色が白い、えび、かにの標本で、生命進化を視覚的に展示している国際海洋環境情報センターでは、映像による学習や水圧機を使用した深海環境の再現やなどの、深海生物から生態系を探求する研究や情報発信などが行われています。
東洋一との評価を得ていた東山動植物園の再生には、検討と生物多様性への市民意識向上とCOP10開催都市として、また環境首都としての情報を発信する機能を果たすために、こうした体験と学習の施策をより充実させる動物図書館などの検討が必要と感じています。

上野動物園での視察写真


パンダ骨

上野動物園書庫1


上野動物園書庫2


ネオパークでの視察写真


ネオパーク入口

正面表示


ネオパーク国際種保存研究センター


国際海洋環境情報センターでの視察写真


深海体験実験

深海のかに


深海のえび


台北動物園での視察写真


台北動物図書館正面

台北動物園コアラ展示(野外)


台北動物図書館内部


国際かえる年ポスター

動物移送庫を利用した象資料の展示


動物図書館台北市

※それぞれの写真は、クリックすると拡大します。