再生を大成功させた旭山動物園 平成21年7月
旭山動物園は、北海道旭川市にある日本最北の動物園で、昭和42年7月にオープンしました。
平成6年には、エキノコックス症(園内のニシローランドゴリラとワオキツネザルが相次いで、野生キタキツネから感染したと思われるエキノコックス症で死亡)で、来園者数が減少するなどの動物園にとっては大きな打撃を受け、当時は、廃園まで検討されたほどでした。
しかし、旭山動物園の園長や飼育員、市職員たちのアイディアや創意工夫などにより見事に再生を果たし、平成16年7月と8月には、上野動物園を抜いて、日本一の月間入園者数を記録し、現在では、旭山動物園が採用したアイディアは、動物園再生の指針として、国内はもとより海外の関係者からも注目されるほどの動物園となっています。
再生計画には、当時の園長や飼育員たちのアイディアによる14枚のスケッチなどから、再生計画が立てられ、従来の形態展示から、行動展示や混合展示を導入することで、従来の方法では見られなかった、動物たちが自然界で動き、泳ぎ、飛び、生きる本来の魅力を間近に見られるおもしろさが一般的にも評価され、現在では、年間入園者数は数百万人にのぼる、旭川市の目玉スポットとなっています。
そして、最近ではその当時の園長や飼育員たちの再生に向けた物語が映画化されて話題となり、他にもTV番組「北の国から」で有名となった道内の富良野と札幌との間の立地条件も活かして、各旅行会社による旭山動物園ツアーなども企画され、その人気は衰えていせん。
園内では、「ぺんぎん館」「オランウータン舎」「ほっきょくぐま館」「くもざる・かぴばら館」「チンパンジーの森」など、来園者に驚きと感動を与える施設を数々有して、近年の平成20年には「オオカミの森」、平成21年には「エゾシカの森」を加えてオープンするなど、新施設のリニューアル整備を続け、今年の平成21年8月にも「てながざる館」のオープンが予定されています。
※1形態展示=動物の姿を見せるために、檻の正面からの観覧やどの角度からも見れる広場のような空間に動物を置いて観覧するなどの一般的な動物園の展示。
※2行動展示=出来る限り動物の生息環境を創り出したスペースの中で、本来の動物の自然な生態や行動を見せる展示。
※3混合展示=異なる動物を同じ場所で飼育する展示。
団体、家族連れ、カップルと各年代から人気の旭山動物園
※それぞれの写真は、クリックすると拡大します。
旭山動物園内の案内版
素早い動きに圧倒された…くもざる・かぴばら館
東山動物園出身のキリンがいました…総合動物舎
旭山再生の原点…こども牧場・ととりの村
ペンギンが空を飛ぶ?体験しました…ペンギン館
サービス旺盛だった…あざらし館
通路を横切る…レッサーパンダの吊り橋
仲間の「いつちゃん」を失い、少し淋しげアムールトラの「のん」
真下から見たら、すごい迫力?…ユキヒョウ
かつての北海道の野生世界の再現…オオカミの森・エゾシカの森
園内には、環境配慮へのメッセージも感じました。
空中遊戯場で有名となった…オラウータン舎
8/29のオープンに向けて現在、整備中…てながざる館
これは、凄い!! 感動しました。…チンパンジーの森・ちんぱんじー館
旭山動物園を視察し、あらためて感じる東山再生
本市の東山再生プロジェクトでは、現在の動植物園の動物と植物を総合的に活かして、体験型の展示施設の整備を進め、併せて2010年のCop10開催地として、里山の再生など生物多様性の環境施策にも貢献出来得るものとしようとしています。
今年5月に河村市長は、東山動物園を視察し、東山再生プロジェクトを見直す考えを示しました。これを受けて、平成21年度6月定例会では、東山再生再検討の補正予算が提案、可決され、現在、見直し作業が進められています。
今回の旭山動物園を視察して、私は、旭山動物園をもう一度訪れたいと率直に思いました。
次に来た時は、どんな動物園に進化しているかにも期待しますが、それぞれの施設にいる動物をもう一度見たい(会いたい・体験したい)と純粋に思いました。
動物園は、子どもの時大人に連れられて、大人になって子どもを連れて、子どもが親になり孫と一緒に、と、人生で3回訪れる機会があると言われます。
それ以外の機会に動物園を訪れてもらうためには、もう一度(また)行きたいと思ってもらえる創意工夫が必要です。
「もう一度行きたい」と思うリピーター、「あの人と行きたい」と思うデートスポット、「楽しそうだから家族(や友達)と行こう」と思うレクリエーションスポットなどと、ごく日常的な市民目線を持つことが必要です。
旭山動物園で導入されている行動展示や混合展示などは、実は既に海外の動物園などでは、多数取り入れられた手法でもあります。
旭山動物園では、動物園廃園の窮地に立たされたとき、関係者たちは、動物たちを守る、来園者たちの機会を守るために、園存続の方法を必死になって模索し、海外や国内の事例を研究し、自ら動物たちと接してきたノウハウを交え、それらを積極的に採用してきたことが、来園者からは新鮮と評価され、旭山動物園再生に結びついたのではないかと思います。そして、現在でもその精神が旭山動物園の原動力となっているのではないかと思います。
つまり、旭山動物園のように動物の魅力を引き出す発想には、なによりもそれぞれの動物をよく理解し、その魅力を引き出す方法と感性を持つことが最も重要です。
本市が、旭山動物園に学ぶべきことは、「動物の目線」と「来園者の目線」で、高尚な理念や志よりも「こんな動物園があったら楽しいだろうな」という´夢を具現化する精神´ではないかと感じました。


